大学生の本棚

本大好き大学生が気ままに好きな本を紹介、書評するサイトです。

大学生の青春小説! 「青くて痛くて脆い」住野よる

僕の大好きな作家の最新作、住野よるさんの「青くて痛くて脆い」を

紹介していきたいと思います。

やはり今作も住野よるさんの世界観がすごく出ていて

十分に楽しむことができました!

本作は未来の時間軸と過去の時間軸の二つで

ストーリーが展開されていきます。

 

 

 

 あらすじ

主人公の田端楓は内気であまり人と距離を縮めない大学生。

そんな楓の人生のテーマが「人に不用意に近すぎないこと」であった。

そして、大学に入ってすぐの授業で楓は隣に座った秋好寿乃という女性と出会う。

寿乃は楓とは真逆の性格で自分の意見を率直に相手にぶつけ、

授業中やクラスメイトからも注目を集めていた痛い女の子。

そんな、本来交わるはずのない二人であったが

徐々に楓も寿乃にこころを開いていき、二人はモアイという

理想を追い求める団体を作る。

しかし、あることがきっかけで二人の間には溝ができてしまい

楓と寿乃は疎遠になってしまう。

 

楓が抜けたモアイは大学内でも有名なサークルになるほど大きくなっていた。

しかし、今のモアイは初めの理想を追い求めるサークルとは違っていて

大手の会社の人とのコネを作るために講演会を開いたりと

本来のモアイの姿は全く違うことに楓は怒りを感じ、

自分で作ったはずのモアイを潰そうと決意する。

 

モアイをつぶすために奮闘する楓であったが、

わずが数行の文のうちに物語は急展開し急加速していく。

 

モアイはどうなるのか!?

楓と寿乃の二人はどうなってしまうのか!?

 

 

感想

読み終えて思ったのは、本当に青くて痛くて脆いなと思いました。

主人公の心情であったり寿乃の心情であったりと

自分と一致する部分がいくつもあってほんとに

その心情が痛いほどわかりました。

人は誰しも一度は人を傷つけてしまい、悩んだり苦しんだり

したことがあると思います。また、自分が間違ってると分かっていても

他人を否定し自分が正しいと思おうとしてしまったりしたことが

あると思います。

そんな、葛藤や苦しみの心情や感情を繊細に表現し感じることが

できる作品だったと思います。

そして、最後の一行にほんとこころ打たれました。

 

 

「青くて痛くて脆い」

2018年3月2日 発行

住野よる

KADOKAWA